エレベーターのボタンと階数表示のデザインから考える“情報の階層構造”について

エレベーターに乗ってすぐに探すものといえば、きっとボタンだと思います。

扉が一方向に開くものの場合は開く方向の逆側に、扉が両側に開くものの場合は出入口に向かって右側に設置されていることが多いのですが、目的の階のボタンをすぐに見つけることは不思議と難しいように感じます。

1列の場合、数が小さい方から順に下から上に向かって並んでいますが、2列になるとメーカーによって特徴が出てきます。10階まである建物を例に挙げると、多くの場合、1~5階が左側、6~10階が右側に設置されています。しかし、奇数階が左側、偶数階が右側に設置されていることもあります。

このような場合、どちらの方が分かりやすいと感じるのでしょうか。 

また、開閉ボタンにおいてもメーカーによって特徴が出ており、3パターンあると考えます。

1つ目は「開」「閉」の漢字表記です。部首が同じであるため、少し分かりにくいと感じます。

2つ目は「◀︎|▶︎」「▶︎|◀︎」の記号表記です。こちらも漢字同様、瞬時には分かりにくいと感じます。

3つ目は2つ目の記号の下にひらがなで「ひらく」「とじる」の表記があるものです。記号と合わせて見間違いの少ないひらがなが表記されていることで非常に分かりやすくなっています。

 以上のことから、エレベーターのボタンの表示について2つ提案します。

1つ目は2列ならば左側に小さい数字を、右側に大きい数字を置き、右側のボタンを左側より一段上にすることです。一番下のボタンを揃えないことで、感覚的にボタンを探しやすいと考えました。

2つ目は「◀︎|▶︎」「▶︎|◀︎」の下にひらがなで「ひらく」「とじる」の表記を開閉ボタンに採用することです。 

加えて、エレベーター内中程の低い位置にある操作盤について考えます。この操作盤は障がい者や高齢者の円滑な移動を目指すバリアフリー法に準拠して作られたものだそうで、意図的に一般的な高さにあるものよりも低く設置されています。これは「車椅子に乗った人が操作しやすい高さ」であり、床面からおよそ1m程です。この操作盤上のボタンを操作して扉の開閉などを行うと、通常の操作盤上のボタンを操作して開閉を行うときよりも扉の開放時間が長くなっています。これは車椅子での乗り降りを考慮した長さになっているそうです。 

これからも、より多くの人がエレベーターを使いやすくなるよう、ボタン一つ一つのデザインやボタンに対応した機能が進歩していってほしいと考えます。

 最後に、エレベーターの階数表示について考えます。一般的に表示灯やインジケーターなどと呼ばれるものです。これは、エレベーターの現在位置を知らせる装置で、ランプで表示するアナログ式と、数字で表示するデジタル式があります。どちらも視認性にそこまで差はないように思いますが、見たときに複数の数字が目に入るのと、1つの数字だけが目に入るのとを比較すると、後者のデジタル式がより分かりやすいように感じます。

より分かりやすさが追求されていくとするならば、これからの生活で目にする機会が増えるのはデジタル式の階数表示かもしれません。 




引用元: 

https://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/repair/elevator/operation_board.html 

0コメント

  • 1000 / 1000